嘘を吐いているのはお前か、私か、それとも世界か。

 

 

こんな所にいるくらいなら家出したい、とおもっていた。一緒に遠くに行ってほしいとねだった相手は、きっと他にふさわしい誰かがいるからってやさしく笑うだけだった。手放したくなくて足掻いたのに、どうやったって捕まえられなかったんだな。誰かの紛い物だとしても、私を一番にしてほしかった。唯一でオリジナルで特別な「わたし」など、どこにもいないのに。

 

 

私との予定が終わった後、友達と飲みにいくってあなたが言うから帰り道にきつく腕を掴んでいたけれど、駅のホームで振りほどかれた。その時あなたは「ほんと面白いな」って笑っていた。たぶん私は悲しい顔をしていたと思う。その笑顔も世界で一番可愛いよ、すきだよって、言えない。私たちはこの上なく曖昧で、無関係で、どこにも行かないでなんていう権利は無かった。

 

 

ただ生きている事で、誰かに愛されると思い込んでいた。私メンヘラなんだよ、って言っても、そんな風に見えないって。君がそういうならせめて君の前ではそうありたい。